オードブルおせちとは?
いつもと違うおせち料理でお正月を楽しもう!
近年では、生活の変化にともない新年を祝うおせちのスタイルも多様化しています。いつもと違うおせちを味わいたい方や、趣向を凝らしたお正月を迎えたい方には、従来の形式にとらわれない「オードブルおせち」をおすすめします。
今回はオードブルおせちの魅力を取り上げ、おすすめの種類や楽しみ方、おいしくいただくポイントについて解説します。
オードブルおせちの魅力
はじめに、オードブルおせちの基礎知識からご説明します。
オードブルおせちとは
そもそも「オードブル」とはフランス語で「作品のほか」という意味を持ち、西洋料理ではメインの料理の前に出される「前菜」を指します。オードブルは食欲をうながしたり食事の雰囲気を盛り上げたりする役割があり、メインよりも軽めでお酒のつまみになるメニューが選ばれます。
オードブルおせちは、おしゃれな前菜として従来よりも気軽に食べられるおせちで、和風だけでなく洋風や中華風、お子さん向けなど、さまざまな種類から選べる点が魅力です。そのほか、添加物を使用しないものや塩分を控えたもの、量が少なめのものや価格を抑えたものなどがあるので、目的に合わせて早めに準備をしましょう。
従来のおせちとの違い
本来のおせちは漢字で「御節」と書き、季節の節目に当たる「節(せち)」の日を指します。平安時代には、節の日に行う朝廷の儀式で神に供える料理を「御節供(おせちく)」と呼び、収穫の報告として献上しました。
従来のおせちは、数の子や黒豆などの「祝い肴(いわいざかな)」や、「口取り(くちとり)」と呼ばれるかまぼこや伊達巻など、縁起がよい食材を用いたメニューを重箱に詰めて保存し、お正月のメインの食事としていただくことが一般的です。
現代では必ずしも手作りにこだわらず、市販のおせちを購入してお正月に備えるご家庭も少なくありません。また、冷蔵や冷凍の技術が向上したため、市販のおせちの種類は格段に増えています。自由な生活のスタイルの中で、新年を手軽にお祝いできるオードブルおせちの需要はますます高まると言えるでしょう。
オードブルおせちの種類
オードブルおせちにはさまざまな種類があるので、目的に合わせて自由に選ぶことができます。
和風のおせち
お正月のスタイルが変化する中でも、「やっぱりおせちは和風」というご家庭も多いかもしれません。年配の方が多いときや親せきが集まるとき、メインの料理が寿司や鍋もののときなどは和風のおせちをおすすめします。和風のオードブルおせちは、従来のおせちのように縁起物の食材が多く、食べ慣れている点でも安心です。
少し変化を付けたいときには、洋風のアレンジを加えた和洋折衷のオードブルおせちはいかがでしょうか。和食だけでは物足りない場合は、メインに洋風や中華風のメニューを取り入れることも可能です。
フレンチのおせち
「お正月はおしゃれなメニューをふるまいたい」という方には、フレンチのオードブルおせちがおすすめです。家族や恋人、友人、職場やサークルの仲間などと一緒に、シャンパンやワインで華やかに乾杯しましょう。
フレンチのオードブルおせちは、ローストビーフやスモークサーモンなどの定番に加え、マリネやテリーヌ、フォアグラなど見た目が美しい点が特徴です。商品によっては、デザートがセットになったおせちもあります。メインの料理を洋風の鍋やフォンデュなどにすると、さらに豪華なパーティーが楽しめます。
イタリアンのおせち
ピザやパスタが大好きという方には、イタリアンのオードブルおせはいかがでしょうか。イタリアンは食べやすくボリュームがあるため、大人数のご家庭や親しい仲間が集まるパーティーにぴったりです。イタリアンは魚介や野菜を使用したメニューが中心ですが、サラミやハム、イベリコ豚などを味わるオードブルおせちもあります。
彩が豊かなイタリアンのオードブルおせちは、和風のおせちと一緒に並べても違和感がありません。デザートにジェラートやティラミスなどを用意すれば、大満足のお正月が過ごせるでしょう。
中華風のおせち
「和風ばかりで飽きてしまう」と思う方へ、中華風のオードブルおせちはいかがでしょうか。中華料理はしっかりとした味付けで日持ちがするだけでなく、メニューが豊富でボリュームがある点も魅力です。中華風のオードブルおせちでアクセントを付けて、メインは和風の鍋やしゃぶしゃぶなどと組み合わせてもよいですね。
ただし、中華料理は辛(から)い味付けのメニューが含まれることがあるため、小さいお子さんが食べるときには保護者の方が必ず味見をしましょう。
その他のおせち
趣向を変えたオードブルとして、近年ではアジアンやスパニッシュ、洋食同士を組み合わせたおせちなども登場しています。また、お子さんが好きなキャラクターのおせちや、すべてスイーツで作ったおせちなど、幅広い年齢層に向けてさまざまなオードブルおせちを見かけるようになりました。
オードブルおせちは、パーティー用だけでなくお年賀やお取り寄せとしても楽しめます。インターネットでは珍しいおせちも購入できるので、早めに注文をしましょう。
オードブルおせちの楽しみ方
続いて、オードブルおせちを楽しむヒントをシーン別にご紹介します。
家族、親せき、友人、仲間と楽しむ
離れて暮らすご家族や、親せきが一堂に会するお正月。友人や仲間、お世話になった方を招くご家庭も多いでしょう。大人数でテーブルを囲むときは、2~3段の豪華なオードブルおせちや、和・洋・中の3種類を味わえるオードブルおせちをおすすめします。
オードブルおせちは、ビールやワイン、サワーなど、さまざまなお酒にも合う点も魅力です。箸休めとして、黒豆やなますなどの定番の一品を添えてもよいですね。メインには、鍋やすき焼き、フォンデュ、お好み焼きなど、大人数で楽しめるものを用意しましょう。
少人数で楽しむ
夫婦や恋人、友人など、少人数で過ごすお正月は小さめのオードブルおせちがおすすめです。気になるお店の限定のおせちや、おいしいワインと一緒に堪能したいおしゃれな洋風のおせちなど、新年を祝うシーンに合わせてお選びください。
セッティングにもこだわって、和風の食器に洋風のおせちを盛り付ける、ワンプレートの仕上げに松の葉や南天を添える、レストランのような一輪挿しを用意するなどの演出はいかがでしょうか。おしゃれなおせちのコーディネートが完成したら、記念撮影も忘れずに!
お客様と楽しむ
大切なお客様を招待するお正月は、いつもよりも豪華なオードブルおせちをおすすめします。普段はなかな購入しない老舗のホテルや旅館、三ツ星レストラン、有名ビストロなどのおせちを奮発しましょう。おせちは1~3段が一般的ですが、大きめの容器で2段のタイプもあるので、お客様の人数に合わせてお選びください。
人気がある宿やレストランのおせちは売り切れる可能性があるため、早めの予約を心がけましょう。箸休めには、食べ慣れたおせちやつまみ、フルーツなどを用意すると喜ばれるでしょう。
年越しから楽しむ
本来のおせちは節の日に用意したことから、大みそかに年越しそばとおせちを食べる習慣が残る地域もあります。また、新年を待ちきれないご家庭では、早々と大掃除を終わらせて年越しパーティーを始めることもあるでしょう。気軽につまめるオードブルおせちは年末用、伊達巻などの定番のおせちは新年用に用意すれば、改めてお祝いができますね。
最近では、カウントダウンに向けて年越しそばやコーヒー、デザートなどがセットになったおせちもあります。ご家庭や地域のしきたりを参考にしながら、楽しくおせちを選びましょう。
オードブルおせちをおいしくいただくには
最後に、オードブルおせちをおいしくいただくポイントについてご紹介します。
保存の方法
市販のオードブルおせちは、商品の説明に従って冷蔵庫や冷凍庫で保存しましょう。真空パックになったタイプは、常温で保存ができるものもあります。一般的に、冷蔵のおせちは未開封で3~4日から1週間くらい、冷凍のおせちは1~2ヵ月くらいが保存の目安です。真空パックのおせちは、商品によって賞味期限が異なるため説明書や日付を確認しましょう。
どのタイプのオードブルおせちも、開封後に残った分は必ず冷蔵庫や冷凍庫で保存してください。解凍したおせちは、当日または翌日までに食べ終わるようにしましょう。また、オードブルおせちを温かい部屋に置いたままにすると、傷みやすいのでご注意ください。
解凍のポイント
冷凍のオードブルおせちをいただくときは、5℃くらいに設定した冷蔵庫内に置いてゆっくり解凍しましょう。解凍にかかる時間の目安は、数段を重ねて置く場合で20~35時間くらい、1段ずつ置く場合で12時間くらいです。少量をいただくときは、小分けのトレイや容器ごと取り出してラップで包み、数時間くらいかけて解凍します。
商品によっては、食べる直前の1~2時間前に室温に置くとよりおいしくいただけます。なお、はじめから室温で解凍したり電子レンジで解凍したりすると、食品からうまみ成分などを含んだドリップが出て、本来の風味やおいしさが損なわれるので注意しましょう。
オードブルおせちで新年をお祝いしよう
今回は、オードブルおせちの魅力について、種類や楽しみ方、おいしくいただくポイントをご紹介しました。オードブル形式のおせちは見た目が華やかで種類が多く、前菜として気軽に食べられる点がメリットです。冷凍のオードブルおせちは、食事の時間に合わせて冷蔵庫でゆっくりと解凍しましょう。
新年のスタートには、人数や目的に合わせてお好みのオードブルおせちをお選びください。